9月に観に行った映画感想まとめ【2022】
「ブレット・トレイン」の感想。
伊坂幸太郎先生の原作小説「マリアビートル」は読んでいないが、愉快で、バイオレンスで、ド派手な物語で、如何にもデビッド・リーチ作品という感じだった。魔改造された架空の東京~京都は、サイバーパンクっぽくて、むしろ全然アリ。伏線(?)回収の仕方がとても面白くて、「そ、そうくるかあ」と思ったし、最後は大惨事で変な笑いが出そうだった。
「ギャング・カルテット」の感想。
凄腕金庫破りのイェンソン一味が狙うお宝は、かつてのフィンランド王国に伝わる王冠……に付いていた伝説の石。この石を巡ってフィンランド大統領、王座を狙う男、大企業が、それぞれの思惑で動き出す。コレだけ聞くと「ルパン三世」っぽい話に思えるが、そんなにシリアスな物語じゃないし愉快なクライムコメディであり、ファミリィの物語だった。チャールズ・イングヴァル・イェンソン、通称シッカンは、綿密な計画とチームプレイで盗みを働いていく。故に一人のミスが命取り。それで、“運悪く”シッカンだけ刑務所行きになるワケだけど、彼が服役してる間に、仲間たちに心境の変化が出て来てしまう。シッカンがいないと泥棒出来ない。稼ぎゼロ。だからカタギになろう。シッカンが出所し、フィンランド王家のお宝を盗みに行く計画を出しても、盗みに乗り気なれず、皆で彼の元を去ってしまう。それでも、シッカンは、町にいる他の仲間と計画を遂行する。石にこだわる理由は、最後に明らかになるが、悪党なりの家族の絆のようなものを感じてちょっと謎の感動。
「グッバイ・クルエル・ワールド」の感想。
社会に居場所がない、クズにならざるを得なかった者たち。カタギを続けたい元ヤクザ。ただ金が欲しい犯罪者。裏切られた地方の元知事秘書。借金返したいデリヘル嬢とそのツレ。奪った金を巡ってヤクザと悪徳刑事とクズたちが狂乱を演じていく。真っ当に生きられたら生きたいのに、それが上手く出来ない。そして、若者は、狂気の世界へ足を踏み入れてしまう。裏社会で生きることとそこから抜けて生きること。それぞれが、“残酷な世界”を足掻きながら生きていく様は、なかなか見ていて辛い。
「秘密の森の、その向こう」の感想。
ネリーとマリオン。小屋を作って。お泊まりして。ゲームで遊んで。ビニールボートで冒険して。ネリーは、割と早い段階で、マリオンの正体に気づくのだが、深く考えることなく交流を続ける。祖父を失い、母も消えてしまった喪失感を埋めるように。期間限定の、そんな仄かな友情が、美しい思い出と共に未来へ繋がっていく。ラストシーンにおけるネリーとマリオンの再会。2人の間にだけ感じることができる通じ合った空気と時間。何物にも代えがたい満たされた空間であった。
「LAMB/ラム」の感想。
ある牧羊を営む夫婦の喪失を埋めたのは、“一人”の羊だった。生んだ親羊から“子羊”を取り上げて、自分の娘のように育てるマリアとイングヴァル。毎日、家の前で鳴く親羊。喪失と愛の物語は、静謐と気持ち悪さを合わせ持ち、映像の美しさに歪さが見え隠れする。何故、あのような羊が生まれたのか。その真実と報いのラストが悲しくつらい。喪失と愛の物語という点では、「秘密の森の、その向こう」と共通する部分もあるが、その結末は全く正反対だった。
伊坂幸太郎先生の原作小説「マリアビートル」は読んでいないが、愉快で、バイオレンスで、ド派手な物語で、如何にもデビッド・リーチ作品という感じだった。魔改造された架空の東京~京都は、サイバーパンクっぽくて、むしろ全然アリ。伏線(?)回収の仕方がとても面白くて、「そ、そうくるかあ」と思ったし、最後は大惨事で変な笑いが出そうだった。
「ギャング・カルテット」の感想。
凄腕金庫破りのイェンソン一味が狙うお宝は、かつてのフィンランド王国に伝わる王冠……に付いていた伝説の石。この石を巡ってフィンランド大統領、王座を狙う男、大企業が、それぞれの思惑で動き出す。コレだけ聞くと「ルパン三世」っぽい話に思えるが、そんなにシリアスな物語じゃないし愉快なクライムコメディであり、ファミリィの物語だった。チャールズ・イングヴァル・イェンソン、通称シッカンは、綿密な計画とチームプレイで盗みを働いていく。故に一人のミスが命取り。それで、“運悪く”シッカンだけ刑務所行きになるワケだけど、彼が服役してる間に、仲間たちに心境の変化が出て来てしまう。シッカンがいないと泥棒出来ない。稼ぎゼロ。だからカタギになろう。シッカンが出所し、フィンランド王家のお宝を盗みに行く計画を出しても、盗みに乗り気なれず、皆で彼の元を去ってしまう。それでも、シッカンは、町にいる他の仲間と計画を遂行する。石にこだわる理由は、最後に明らかになるが、悪党なりの家族の絆のようなものを感じてちょっと謎の感動。
「グッバイ・クルエル・ワールド」の感想。
社会に居場所がない、クズにならざるを得なかった者たち。カタギを続けたい元ヤクザ。ただ金が欲しい犯罪者。裏切られた地方の元知事秘書。借金返したいデリヘル嬢とそのツレ。奪った金を巡ってヤクザと悪徳刑事とクズたちが狂乱を演じていく。真っ当に生きられたら生きたいのに、それが上手く出来ない。そして、若者は、狂気の世界へ足を踏み入れてしまう。裏社会で生きることとそこから抜けて生きること。それぞれが、“残酷な世界”を足掻きながら生きていく様は、なかなか見ていて辛い。
「秘密の森の、その向こう」の感想。
ネリーとマリオン。小屋を作って。お泊まりして。ゲームで遊んで。ビニールボートで冒険して。ネリーは、割と早い段階で、マリオンの正体に気づくのだが、深く考えることなく交流を続ける。祖父を失い、母も消えてしまった喪失感を埋めるように。期間限定の、そんな仄かな友情が、美しい思い出と共に未来へ繋がっていく。ラストシーンにおけるネリーとマリオンの再会。2人の間にだけ感じることができる通じ合った空気と時間。何物にも代えがたい満たされた空間であった。
「LAMB/ラム」の感想。
ある牧羊を営む夫婦の喪失を埋めたのは、“一人”の羊だった。生んだ親羊から“子羊”を取り上げて、自分の娘のように育てるマリアとイングヴァル。毎日、家の前で鳴く親羊。喪失と愛の物語は、静謐と気持ち悪さを合わせ持ち、映像の美しさに歪さが見え隠れする。何故、あのような羊が生まれたのか。その真実と報いのラストが悲しくつらい。喪失と愛の物語という点では、「秘密の森の、その向こう」と共通する部分もあるが、その結末は全く正反対だった。
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