お笑いコンビ・キングコングの西野亮廣さんの絵本『えんとつ町のプペル』の無料化問題の気持ち悪さについて

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 お笑いコンビのキングコングの西野亮廣さんのブログエントリーを単に発した、自身の著作である絵本『えんとつ町のプペル』無料化問題。最初は、関連するTLを読みつつ静観していたのですが、段々と西野亮廣さんの言い分に腹が立ってきて、私も怒りのツイートが増えてしまいました。今では、彼に関連するツイートを見るだけで不愉快さが増してくるので、ちょっと自分の中で、この気持ち悪さを吐き出してスッキリさせようと思います。

自分の作品をあえて無料化させる意義とキンコン西野の問題
 私は、コンテンツを無料で公開させることに一定の意義があると思っています。例えば、少年ジャンプ+マンガボックスなどのwebコミックは、ほとんどが無料で読めます。AmazonのKindleでは、1巻まるごと読める無料作品もあります。小学館は、サンデーうぇぶりで島本和彦先生の『燃えよペン』と『吠えよペン』の単行本を無料で公開しました。絶版マンガや出版社の許諾を得たマンガを全巻無料で読めるマンガ図書館Zもあります。何故、コンテンツをあえて無料で公開するのか? それが、作品を売るための宣伝(キャンペーン)になるからです。作品を知ってもらう。興味を持ってもらう。その上で新刊を買ってもらう。その手段、戦略としての無料化(マネタイズ)なら納得できるのです。
 それ故に、西野さんの言う、「2000円じゃ高くて買えない小学生のために絵本を完全無料で公開しよう」というのは、ハッキリ言って全く余計な美談であり善意なのです。マネタイズ前提なら絵本ナビで著作を『全ページためしよみ』に変えてもらえば、実質無料で読むことが出来ます。コンテンツの無料化という夢や理想にこだわりすぎるために、今あるサービスを有効に活用することを思いつかなかったのでしょうか。

追記
 西野さんは、絵本を図書館に寄贈することに肯定的ではないですが、新刊がすぐ図書館で貸し出しされることに否定的な出版社や作家さんは結構いるので、コレばかりはちょっと何とも言えないです。

クリエイターが無料化ビジネスを喜べない本当の理由

 コチラのツイートが、西野さんのブログに晒しあげられて、ボコボコにされました。

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 先に書いたように、コンテンツの無料化には良いところもあります。収益を上げる方法もあります。でも、クリエイターの特にマンガ家やイラストレーターは、無料化することを安易に認めるわけにはいかないのです。何故なら、出版業界は、違法ダウンロードの被害に長年悩まされてきたからです。特にマンガが酷いのです。今も新刊が出たその日にダウンロードサイト(ブログ)やファイル共有ソフトであっという間に拡散されています。売り上げ部数より違法ダウンロードの数の方が多いこともザラです。


 だからこそ、出版社が無料で読めるようにすると言った時は、100パーセント営業目的なのです。過去の作品を無料で読めるようにしたから新刊を買ってね、ということです。ところが、西野さんは、それを最初に、高い絵本をなかなか買えない子供たちのためにという美談から語ってしまいました。コレが良くないです。コンテンツを無料化することを善意とし、クリエイターが無料化を安易に認めると、違法ダウンロードをしている連中に正当性を与えることになってしまいます。それが特に影響力の高い著名人だと、その正当性が力を持つようになってしまうのです。繰り返しますが、コンテンツの無料化は、決して美談で語ってはいけないのです。

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 それでもあえて善意でやるというなら、最初からチャリティーを目的とした無料化と宣言すれば良いのです。

追記その2


「お金の奴隷解放宣言」は全ての職業クリエイターに対する侮辱である
 私が一番腹が立ったのがコレです。西野さんは、多くのスタッフが関わった自分の作品をお金の奴隷と蔑み、貶めたのです。正直、ココは、一番怒っていいところで、それまで語っていた理想や美談が一瞬で吹き飛ぶレベルです。クリエイターが時間をかけ、苦悩し、時には血の涙を流して作った作品は、決して奴隷ではありません。西野さんの絵本のスタッフだって“奴隷”と思って作っているワケではないはずです。なのに何故、西野さんにクリエイティブを『お金の奴隷』呼ばわりされなければならないのか。しかも、『お金の奴隷解放宣言』と言っておきながら、

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 と(恐らく)ドヤ顔で語り。お金の奴隷解放宣言と相反する無料化ビジネス論を偉そうに語ってます。はぁ? 「子供たちのため(略」という夢や理想はどこへいったの? それなら、無料化はプロモーションだって最初から言えばいい。無料化することを美談みたいに語って欲しくない。自分の作品が売れたことを笠に着る、ホントに屈辱的な発言です。本来であれば、その言葉を訂正してもらいたい。西野さんは、様々な異論に対してあくまでもビジネスとしての有効性の方向で反論しているようですが、本来あなたに対してそういうことを言いたいワケではないです。あなたは、多くの職業クリエイターの創造性を金の奴隷と見下し、侮辱した。これはあくまでもクリエイターとして、クリエイティブで飯を食う人間のプライドの問題なのです。

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 このブログエントリーにおいて、西野さんの誤解を生む表現に対する謝罪が書いてありますが、正直、この人の性根を知ってしまった以上、判った許す、とすぐには認めがたいです。
 クリエイティブを職業として、対価を得て生活している人にとって、安易な値下げは自分の首を絞めることをよく知っています。pixivなどに投稿しているイラストレーターが、不当に安いギャランティーでイラストを発注される事例が後を絶たず、今でも悩みの種になっているからです。著名な作家が不当に才能の安売りをすると、それを基準に業界全体のダンピングに繋がりかねません。コンテンツの無料化の功罪の“罪”とは、コンテンツの価値を下げることで、それにクライアントが影響されてクリエイター全体の価値が下がることなのです。だからこそ、作品の価値を下げるような行い、発言を安易にしてはいけないのです。全てのクリエイターが西野さんのように、初めから知名度のあるワケでもなく、無料コンテンツでお金を儲けられるワケではありません。クリエイティブな仕事は、知名度や売れてることを担保に成り立つ強者の論理だけでは回らないのだと心得てもらいたいです。

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 明坂聡美さんを名指しで煽って、貶め、最後に上っ面だけの謝罪をして、でも反省はしない。コレ、完全にクズの所業じゃないですか。しかも、西野さんは、自分が一部から非常に嫌われていることに大変自覚的です。アレコレ外から文句を言われることも、面倒くさいと思うだけで、恐れるものがありません。故に西野さんは、自分の正しさを信じているし、徹底的に主張するし、喝破されても論点をすり替え反省はしません。ココが、今回の問題の最もタチの悪いところであり、気持ちが悪いところです。初めっから聞く耳持たない人に説教することほど、無力で虚しいことはありません。正直、西野さんの話題には、もう2度と触れたくないし、語りたくもありません。だから、今、後腐れを残さぬよう、心の中にあるモヤモヤを全て吐き出したのです。たとえ自分の中で理路整然としていなくても。


 はい、この話題は、もうおしまい!

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