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8月に観に行った映画感想まとめ【2020】

「ジョーンの秘密」
この映画を8月のこの時期に公開したことには、実は大きな意味がある。2000年5月、老婆のジョーンは、英国保安局MI5にソ連へのスパイの容疑をかけられ拘束された。男女2人の取調官を前に彼女は過去を語り出す。1940年代のイギリス。ジョーンは、ある思いから核兵器をあえて敵に持たせることが戦争の抑止力になると考え始めていた。ジョーンがそう信じるに至り、共産圏のスパイ行為に加担したのは何故なのか。学生時代に愛する人が共産主義者だったから?それもあるかもしれない。だが、ココで日本の太平洋戦争が関わってくる。ジョーンが研究協力していた原子爆弾の威力を知ってしまったから。ジョーンの回想とスパイ容疑をかけられた現在のやりとりが交互に物語られ、彼女が確固たる信念で核戦争を起こさないために行ったことは正しかったのか。結果的には、日本の広島と長崎に原子爆弾が投下されて以降、少なくとも核戦争と呼ばれる状態になっていない。国家を裏切ることになっても、この点においてジョーンの行いは正しかったと言えるだろう。それでも罪は罪なのだが、彼女なりに悔いのない人生だったのではなかろうか。

「ブックスマート」
私の数年間の(真面目に勉強した)学校生活は、努力は何だったのだ?などという人生の後悔を吹き飛ばすべく、モリーとエイミーのが企てた卒業パーティー潜入計画は、本当にハチャメチャで爆笑の連続だった。様々なパーティーを奇しくもハシゴして、高校生活ほとんど遊ばなかった分を、まるでこの夜だけに凝縮。モリーとエイミーのはっちゃけっぷりが面白い。その一方で、モリーは、それまで積極的に関わっていかなかったクラスメイトの意外な一面を知る。世の中には、自分の努力の積み重ねを軽く上回る“上手くやれる”人間がいる。一言で言うと、非常に要領のいい人間。絶望しかけたモリーがエイミーと共に自棄っぱちのように遊びまくるのだが、同時に自分の本当の気持ちと向き合う。特にエイミーの恋模様は、一部の人にとって胸をときめかせるね。

「きっと、またあえる」
インドの名門ボンベイ工科大学に入学したエリートの卵……の最底辺たちによるボンクラ大学ライフ。まさか、これが感動ドラマになっていくなんて想像できただろうか。インドにおける大学受験戦争の厳しさは、日本と比べものにならない。インドの名門大学、一流大学は、合格率わずか1%。目指し日々猛勉強し、極めて狭き門に向かって人生をかけた試験に臨んでも、99%は路頭に迷うのだ。主人公アニの息子ラーガヴが受験失敗のショックで飛び降り自殺を図ってしまい、一命を取り留めるも脳挫傷により予断を許さない状態に。その彼の命を繋いだのが、アニの語る大学時代のスポーツ大会ゼネラル・チャンピオンシップにおける奇跡だった。これを切っ掛けにかつての仲間たちがアニの下へ集まり、それぞれがゼネラル・チャンピオンシップの苦闘の思い出を語り始める。ただの“負け犬たちのワンスアゲイン映画”ではない。非常に痛快だが、この邦題「きっと、またあえる」にあるように、これはかけがえのない友と命を繋ぐ物語なのだ。

「オフィシャル・シークレット」
自分の信じた正義で世界は変わるのか。イラクと戦争するために手段を選ばぬ米国のやり方に憤りを覚える英政府通信本部(GCHQ)の女性キャサリン。彼女は見た1通のメール、米国が国連の主要メンバーに対して盗聴を行うことを新聞社にリークする。だが、その勇気も虚しく、イラクには大量破壊兵器がある、という理由で押し切ったアメリカはイラクとの開戦に強引な手で踏み切ったワケだけど、実は証拠(エビデンス)がなく、果たして見つかっていない。そして、キャサリンは、情報漏洩したことを告白し、公共秘密法違反の容疑で逮捕され、愛する夫の運命すらも変えてしまう。機密情報漏洩と間接的に戦争を正当性と問う裁判に発展するポリティカル・サスペンスで面白い。

「2分の1の魔法」
予告編等で見ていた物語の印象と大分違った展開に良い意味で裏切られた。自分に自信が持てないイアンと自信だけはある魔法歴史オタクでボンクラな兄バーリー。この2人は、幼い頃に父を病で亡くしていた。イアンは、16歳の誕生日に父の形見として貰った魔法の杖で父親を復活させる魔法を試みるも失敗。そこから復活の魔法に必要な不死鳥の石を探す冒険が始まる。イアンは、ボンクラな兄を家出厄介な存在を思っていたが、父が復活したらやりたいことリストを見て改めて考える。自分がどれだけ兄に大切にされていたかを。そして、その兄バーリーは、父親が亡くなる寸前にやり残したことあった。兄弟の尊い絆の物語であり、出来ないという思い込みを可能にする勇気こそが魔法ということを教えてくれる。あと、この日本版エンディングテーマにスキマスイッチの「全力少年」を選んだ人は、マジ今回MVPものだと思う
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藤堂志摩子

Author:藤堂志摩子
初めまして。私は、仮想世界の女子校に通う“エターナルセブンティーン”藤堂志摩子といいます。乃梨子の「阪神タイガースを生暖かい目で見守る志摩子さまが好きだ!」という微妙なリクエストで生まれた新しい形のバーチャルネット白薔薇さまです。どうかよろしくお願いします。
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