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1月に観に行った映画感想まとめ【2021】

「新 感染半島 ファイナル・ステージ」の感想。
ゾンビ化ウイルスによって完全に棄てられた国家となってしまった韓国の荒廃っぷりや音と光に反応するゾンビとの戦い方が、ポスト・アポカリプスゾンビ映画として出色の出来だと思う。助けられるはずだった人を見捨てて逃げた男ジョンソクの無念が、一つの家族を救う展開になっていくのもいい。恐らく「マッドマックス」の影響を受けたと思われる終盤のカーチェイスやジョンソクを助けた少女ジュニのドライブテクニックは、コレがゾンビ映画であることを一瞬忘れさせるほどで、かなり見どころ。「新 感染 ファイナル・エクスプレス」から予算倍増でゾンビアクションてんこ盛りなのに、感動できるドラマをきちんと押さえているのは、他のゾンビ映画と一線画している。

「この世界に残されて」の感想。
第二次世界大戦後のハンガリー。ホロコーストを生き残った者たちの受けた心の傷は深く、そう簡単に癒えるものではない。だからこそクララとアルドは、お互い失ってしまったものを埋め合わせることで愛に気づく。ある意味で癒し愛である。クララとアルドの関係は、擬似親子のようであり、恋愛に近い感情もあったかもしれない。親子ほどの年の差恋愛を感じさせるも、背徳感より心で求め合うほのか情景が美しい。冒頭で世界に絶望したかのような表情の孤独なクララが、アルドとの出会いによって少しずつ外と関わりを持つようになり、最後には恋人のぺぺと明るく過ごしているのを見て、アルドに少し感情移入したせいか寂しさを覚えずにいられなかった。

「ミッション・マンガル」の感想。
インドの惑星探査機が、アジアで初めて火星周回軌道に到達したマーズ・オービター・ミッション。コレを元にしたサクセスストーリーで、超低予算によるあらゆる困難をポジティブに解決するのが、如何にもインド映画らしくて楽しい。ミッションのメインスタッフは、何故か女性が多くて、しかも皆パワフル。この辺りは、映画「ドリーム」を彷彿とさせるし、ある種の時代性(そうではないことは、途中で薄々察する)を感じるが、チャレンジせずに夢を諦めることはしない強さの大切さを教えてくれる。もちろん、お約束のダンスシーンもある。でも、このダンスシーンがあるおかげで、NASAから来た男のストレスがスッキリするし、毎度のことながら、何の違和感もなくダンスをぶち込んでくるのは、もはや職人芸の粋。

「キング・オブ・シーヴズ」の感想。
元裏社会の大泥棒だったおじいちゃんたちの人生逆転劇……と思いきや中々思い通りには行かず、拗れていく仲間たち、大金を手にする最後の勝利者は何者か?高齢で大金庫を襲うことの色々な悲喜交交がユーモアも交えて描かれ、別な意味でハラハラする面白さだった。ハットンガーデンの大金庫を狙う際は、昔取った杵柄から非常に計画的で、少々のトラブルがあっても臨機応変に対応する。大金庫から金と宝石をいただき、逃げるまで非常にスムース実行できたが、現代の監視カメラ技術と警察の捜査力はバカに出来ないワケで……。コレが過去に何度か映像化されてる実話だというのだから驚く。そして、映画の通り、実行犯は1人捕まっていないということも……。

「KCIA 南山の部長たち」の感想。
コレは、少なくとも私が見たことないイ・ビョンホンだった。かつてパク大統領と共に革命の戦士だった中央情報部のキム。大統領の腐敗が暴露され、信じていたものに裏切られ、凶行へ及ぶに至った苦悩を演じるイ・ビョンホンの味わい深さと言ったら……。ここ数年、韓国の戦後(朝鮮戦争後)史の暗部を題材にした映画が何本かあって、軍事独裁政権への反発から民主化を望む市民によるデモや武力闘争が多発していたことは何となく知っていた。そういった点でも興味深く見たし、その状況を匂わすシーンがあり、この映画を見た人は、ぜひ「タクシー運転手」という映画も見て欲しい。ちなみに、この作品でパク・チョンヒ大統領が暗殺された1年後の物語である。

「どん底作家の人生に幸あれ!」の感想。
人生は物語だ。チャールズ・ディケンズの「デイヴィッド・コパフィールド」を原作に波瀾万丈なデイヴィッドの人生を非常にユーモラスに描いていて、憂鬱なご時世を笑って吹き飛ばせそうな映画だった。クセの強い登場人物たちは、みな魅力的で、デイヴィッドの人生を彩っていく。そして、それら全てが一つに繋がる。ラストは、人生賛歌、人間賛歌を見ているようで清々しい。

「プラットフォーム」の感想。
よく、金は上から下へ流れていく、上が儲かれば下も儲かる、などという戯れ言をえらい人たちが、たまに言ったりもするが、そんなものが如何に幻想であるかを煮詰めて喰わせた映画だった。プラットフォーム(仮)に閉じ込められた人間は、1日1回の食料を上から下ろされる。それは、大量で豪華な食料であるが、補充されることがないので、下層であればあるほど上層に食料を食べ尽くされ、ほとんどゼロになる。食料ゼロの状態が長く続くと、人間は最終的に何を食べるのかというと……。この階層社会の非常の嫌らしいところは、好きな食べ物を食べられる上層と全く食べられない下層を交互に経験させられること。上層で満たされた欲を経験したら、下層の地獄に2度と戻りたくない。下層の地獄を経験したら、上層でより欲を満たそうとする。食欲を満たす人間の本質的な醜さが増幅される、ちょっと気が狂いそうな、皮肉の効いた階層社会システムなのである。意味が判らないままこのシステムに組み込まれる不条理さが、現実社会の縮図の様に感じる。
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プロフィール

藤堂志摩子

Author:藤堂志摩子
初めまして。私は、仮想世界の女子校に通う“エターナルセブンティーン”藤堂志摩子といいます。乃梨子の「阪神タイガースを生暖かい目で見守る志摩子さまが好きだ!」という微妙なリクエストで生まれた新しい形のバーチャルネット白薔薇さまです。どうかよろしくお願いします。
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